Examples of Gröbner Bases

グレブナー基底:具体例を大量に読むレポート

32個の具体例を通じて、消去、標準単項式、正規形、S多項式、零次元・正次元、重複度、飽和を実感するための例題集。

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使い方

このレポートは「定義を読んだが、何をどう使うのかを大量の例で身体化したい」ためのものです。例は 32 個あり、基本、消去、零次元、正次元、重複度、S多項式、標準単項式、飽和、有限体などに分類しています。

32
具体例
39
タグ
lex
消去例を重視
NF
正規形計算つき
読み方各例では「イデアル」「単項式順序」「グレブナー基底」「何が分かるか」を分けて示しています。最初は結果を暗記せず、どの先頭単項式が階段を作るかを追ってください。

例の地図

基本操作一変数、線形系、S多項式、所属判定、正規形。
幾何円と直線、放物線、尖点曲線、ねじれ三次曲線。
構造零次元、正次元、重複度、非根基、飽和、有限体。

グレブナー基底の例を読むときのチェックリストは次です。

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01. 一変数の場合:グレブナー基底は最大公約因子に近い

基本一変数所属判定
イデアル / 状況\(I=\langle x^3-1,\;x^2-1\rangle\subset \mathbb{Q}[x]\)
順序一変数なので順序の違いは本質的にない。
グレブナー基底 / 結果\(G=\{x-1\}\)
要点一変数多項式環は Euclid 整域なので、イデアルは 1 つの多項式で生成される。多変数グレブナー基底は、この「割り算で余りを管理する」考えを多変数へ拡張したもの。
計算・解釈の補足

\(x^3-1=(x-1)(x^2+x+1)\), \(x^2-1=(x-1)(x+1)\)。共通部分の方程式としては \(x=1\) が残る。

02. 線形方程式系は行基本変形と一致する

基本線形零次元
イデアル / 状況\(I=\langle x+y-1,\;x-y\rangle\subset\mathbb{Q}[x,y]\)
順序lex \(x>y\)
グレブナー基底 / 結果\(G=\{x-\tfrac12,\;y-\tfrac12\}\)
要点線形系に限れば、グレブナー基底計算は Gaussian elimination と同じ役割を果たす。lex 順序は三角形化を作る。
計算・解釈の補足

\(x-y=0\) から \(x=y\)。これを \(x+y-1=0\) に代入して \(2y-1=0\)。

03. 放物線と双曲線:消去多項式が現れる

消去零次元Buchberger
イデアル / 状況\(I=\langle x^2-y,\;xy-1\rangle\)
順序lex \(x>y\)
グレブナー基底 / 結果\(G=\{x-y^2,\;y^3-1\}\)
要点\(x\) を消去すると \(y^3-1=0\)。解は \(y\) の 3 乗根を選び、\(x=y^2\) と戻す。
計算・解釈の補足

最初の S多項式は \(S(x^2-y,xy-1)=x-y^2\)。これを追加すると \(xy-1\) から \(y^3-1\) が現れる。

04. 円と直線:幾何を三角形化する

消去幾何零次元
イデアル / 状況\(I=\langle x^2+y^2-1,\;x-y\rangle\)
順序lex \(x>y\)
グレブナー基底 / 結果\(G=\{x-y,\;y^2-\tfrac12\}\)
要点直線 \(x=y\) 上の円との交点は \(y=\pm 1/\sqrt2\), \(x=y\)。
計算・解釈の補足

消去多項式 \(y^2-1/2\) は、交点の \(y\) 座標だけを記述する。

05. 接する放物線と直線:重複度が見える

重複度零次元幾何
イデアル / 状況\(I=\langle y-x^2,\;y-2x+1\rangle\)
順序lex \(x>y\)
グレブナー基底 / 結果\(G=\{x-\tfrac12y-\tfrac12,\;y^2-2y+1\}\)
要点消去多項式は \((y-1)^2\)。交点は 1 点だが重複度 2 を持つ。
計算・解釈の補足

\(y=2x-1\) を \(y=x^2\) に代入すると \(x^2-2x+1=(x-1)^2\)。

06. Boolean 方程式:有限集合の座標環

標準単項式零次元有限集合
イデアル / 状況\(I=\langle x^2-x,\;y^2-y\rangle\)
順序lex \(x>y\)
グレブナー基底 / 結果\(G=\{x^2-x,\;y^2-y\}\)
要点解集合は \(\{0,1\}^2\)。初期イデアルは \(\langle x^2,y^2\rangle\)、標準単項式は \(\{1,x,y,xy\}\)。
計算・解釈の補足

商環の次元は 4。これは 4 個の点に対応する。

07. 矛盾した方程式系:基底に 1 が出る

所属判定矛盾基本
イデアル / 状況\(I=\langle x,\;x-1\rangle\)
順序任意の単項式順序
グレブナー基底 / 結果\(G=\{1\}\)
要点\(1\in I\) なので \(I=\mathbb{Q}[x,y]\)。代数閉体上の解集合は空。
計算・解釈の補足

\((x)-(x-1)=1\)。グレブナー基底に 1 が現れることは「矛盾」の証明書である。

08. 非根基イデアル:点は 1 つでも商環次元は大きい

重複度標準単項式非根基
イデアル / 状況\(I=\langle x^2,\;y\rangle\)
順序lex \(x>y\)
グレブナー基底 / 結果\(G=\{x^2,\;y\}\)
要点解集合は原点だけだが、標準単項式は \(\{1,x\}\)。したがって商環次元は 2。
計算・解釈の補足

\(x\) は 0 ではないが \(x^2=0\) となる冪零元である。これは重複度を表す。

09. 正次元の単項式イデアル:階段が無限に続く

正次元標準単項式単項式イデアル
イデアル / 状況\(I=\langle xy,\;y^2\rangle\)
順序lex \(x>y\)
グレブナー基底 / 結果\(G=\{xy,\;y^2\}\)
要点初期イデアルは \(\langle xy,y^2\rangle\)。\(1,x,x^2,x^3,\ldots,y\) は標準単項式なので商環は無限次元。
計算・解釈の補足

幾何的には \(y=0\) という直線に、原点付近の厚みを加えたような構造を持つ。

10. 標準単項式の有限階段

標準単項式零次元初期イデアル
イデアル / 状況\(\operatorname{in}_<(I)=\langle x^2,xy,y^3\rangle\) と分かっている場合
順序2変数の任意の順序でこの初期イデアルが得られたとする。
グレブナー基底 / 結果標準単項式は \(\{1,x,y,y^2\}\)
要点\(x^2\) で \(x\) 方向が止まり、\(y^3\) で \(y\) 方向が止まり、\(xy\) で混合項が消える。
計算・解釈の補足

標準単項式の個数 4 は、零次元なら商環の \(k\)-次元である。

11. 尖点曲線の陰関数化

消去陰関数化曲線
イデアル / 状況\(I=\langle x-t^2,\;y-t^3\rangle\subset\mathbb{Q}[t,x,y]\)
順序lex \(t>x>y\)
グレブナー基底 / 結果\(G=\{t^2-x,\;tx-y,\;ty-x^2,\;x^3-y^2\}\)
要点\(t\) を消去すると \(x^3-y^2=0\)。つまり \((x,y)=(t^2,t^3)\) の像は尖点曲線。
計算・解釈の補足

消去イデアルは \(I\cap\mathbb{Q}[x,y]=\langle x^3-y^2\rangle\)。

12. ねじれ三次曲線

消去陰関数化空間曲線
イデアル / 状況\(I=\langle x-t,\;y-t^2,\;z-t^3\rangle\subset\mathbb{Q}[t,x,y,z]\)
順序lex \(t>x>y>z\)
グレブナー基底 / 結果\(G=\{t-x,\;x^2-y,\;xy-z,\;xz-y^2,\;y^3-z^2\}\)
要点\(t\) を消去した関係として \(x^2-y\), \(xy-z\), \(xz-y^2\), \(y^3-z^2\) が得られる。
計算・解釈の補足

実際には \(x^2-y\) と \(xy-z\) から他の関係も従うが、lex グレブナー基底は消去段階ごとの関係を豊富に含む。

13. 写像が平面全体を覆う場合:消去イデアルが 0

消去陰関数化注意
イデアル / 状況\(I=\langle t+u-x,\;tu-y\rangle\subset\mathbb{Q}[t,u,x,y]\)
順序lex \(t>u>x>y\)
グレブナー基底 / 結果\(G=\{t+u-x,\;u^2-ux+y\}\)
要点\(I\cap\mathbb{Q}[x,y]=\{0\}\)。任意の \((x,y)\) は二次方程式 \(T^2-xT+y=0\) の根の和と積として表せる。
計算・解釈の補足

「消去すれば必ず非自明な関係式が出る」とは限らない。像が稠密なら消去イデアルは 0 になる。

14. 対称式の三角形化

消去対称式零次元
イデアル / 状況\(I=\langle x+y+z,\;xy+xz+yz,\;xyz-1\rangle\)
順序lex \(x>y>z\)
グレブナー基底 / 結果\(G=\{x+y+z,\;y^2+yz+z^2,\;z^3-1\}\)
要点最後に \(z^3-1\) が残り、次に \(y\)、最後に \(x\) を戻す三角形系になる。
計算・解釈の補足

これは「根の基本対称式が与えられた三次方程式」を lex グレブナー基底が復元している例。

15. 順序の違い:lex と grlex で基底の形が変わる

単項式順序比較計算戦略
イデアル / 状況\(I=\langle x^2+y^2-1,\;xy-1\rangle\)
順序lex \(x>y\) と grlex \(x>y\)
グレブナー基底 / 結果lex: \(\{x+y^3-y,\;y^4-y^2+1\}\)。grlex: \(\{x+y^3-y,\;x^2+y^2-1,\;xy-1\}\)
要点lex は消去に強いが式が大きくなりやすい。次数順序は中間式を抑えやすい。
計算・解釈の補足

実用計算では grevlex で計算してから FGLM などで lex へ変換する戦略がよく使われる。

16. 互いに素な先頭単項式:S多項式が自動的に落ちる

Buchberger判定法S多項式
イデアル / 状況\(f_1=x^2-y,\;f_2=y^2-1\)
順序lex \(x>y\)
グレブナー基底 / 結果\(\{f_1,f_2\}\) はグレブナー基底
要点\(\operatorname{LM}(f_1)=x^2\), \(\operatorname{LM}(f_2)=y^2\) は互いに素。積判定法により critical pair は問題を起こさない。
計算・解釈の補足

S多項式 \(y^2f_1-x^2f_2=x^2-y^3\) は \(f_1,f_2\) で 0 に簡約される。

17. S多項式が新しい関係を生む

BuchbergerS多項式具体計算
イデアル / 状況\(f_1=x^2-y,\;f_2=xy-1\)
順序lex \(x>y\)
グレブナー基底 / 結果最初の集合はグレブナー基底ではない。追加後の簡約基底は \(\{x-y^2,y^3-1\}\)
要点\(S(f_1,f_2)=x-y^2\) が 0 に落ちないため、これを追加する。
計算・解釈の補足

先頭単項式 \(x^2\) と \(xy\) の最小公倍単項式は \(x^2y\)。\(y f_1-x f_2=x-y^2\)。

18. 純冪鎖:すでに三角形

零次元三角形化標準単項式
イデアル / 状況\(I=\langle x^2-y,\;y^2-z,\;z^2-1\rangle\)
順序lex \(x>y>z\)
グレブナー基底 / 結果\(G=\{x^2-y,\;y^2-z,\;z^2-1\}\)
要点この生成系はすでに三角形的で、最後の \(z^2-1\) から順に戻せる。
計算・解釈の補足

\(z\) は 2 通り、\(y^2=z\)、\(x^2=y\) なので複素数上では合計 8 点が期待される。

19. 3 点のイデアルに見えるが正確には閉包も読む

有限集合標準単項式注意
イデアル / 状況\(I=\langle xy-x,\;y^2-y\rangle\)
順序lex \(x>y\)
グレブナー基底 / 結果\(G=\{xy-x,\;y^2-y\}\)
要点方程式は \(x(y-1)=0\), \(y(y-1)=0\)。解は \((0,0)\) と \((a,1)\) 全体なので正次元成分を含む。
計算・解釈の補足

標準単項式には \(1,x,x^2,\ldots,y\) が残り、商環は無限次元。有限個の点だけではない。

20. 有限集合の 4 点:積型イデアル

有限集合零次元標準単項式
イデアル / 状況\(I=\langle x^2-1,\;y^2-1\rangle\)
順序lex \(x>y\)
グレブナー基底 / 結果\(G=\{x^2-1,\;y^2-1\}\)
要点標準単項式は \(\{1,x,y,xy\}\)。解は \((\pm1,\pm1)\)。
計算・解釈の補足

Boolean 方程式と同様、各変数の純冪が初期イデアルにあるため階段は有限。

21. 冪零が 2 方向にある局所的例

非根基重複度商環
イデアル / 状況\(I=\langle x^2,\;xy,\;y^2\rangle\)
順序任意の単項式順序
グレブナー基底 / 結果\(G=\{x^2,xy,y^2\}\)
要点標準単項式は \(\{1,x,y\}\)。原点 1 点だが長さ 3 の非根基構造。
計算・解釈の補足

商環では \(x^2=xy=y^2=0\)。一次の微小方向だけが残る。

22. 所属判定:余りが 0 ならイデアルに入る

所属判定正規形基本
イデアル / 状況\(G=\{x-y^2,\;y^3-1\}\)
順序lex \(x>y\)
グレブナー基底 / 結果\(G\) は \(I=\langle x^2-y,xy-1\rangle\) の簡約グレブナー基底
要点\(p=xy-1\) は \(G\) で割ると 0。したがって \(p\in I\)。
計算・解釈の補足

\(x\equiv y^2\) なので \(xy-1\equiv y^3-1\equiv0\)。割り算の余りが 0 であることが所属の証明書になる。

23. 所属しない例:正規形が証拠になる

所属判定正規形反例
イデアル / 状況\(G=\{x-y^2,\;y^3-1\}\)
順序lex \(x>y\)
グレブナー基底 / 結果\(\operatorname{NF}_G(x^2y-1)=y^2-1\)
要点余りが 0 ではないので \(x^2y-1\notin I\)。
計算・解釈の補足

\(x\equiv y^2\) なので \(x^2y-1\equiv y^5-1\equiv y^2-1\pmod{y^3-1}\)。

24. 飽和の基本例

飽和消去応用
イデアル / 状況\(I=\langle xy\rangle\), \(h=x\)
順序Rabinowitsch trick で \(I:h^\infty\) を計算する。
グレブナー基底 / 結果\(I:x^\infty=\langle y\rangle\)
要点\(xy=0\) から \(x=0\) 成分を取り除くと \(y=0\) が残る。
計算・解釈の補足

\(I:h^\infty=(I,1-th)\cap k[x,y]\)。ここでは \((xy,1-tx)\) から \(y\) が得られる。

25. 消去による線と円の交点

消去幾何零次元
イデアル / 状況\(I=\langle x^2+y^2-1,\;x-y+1\rangle\)
順序lex \(x>y\)
グレブナー基底 / 結果\(G=\{x-y+1,\;y^2-y\}\)
要点\(y=0,1\)。対応する \(x\) は \(-1,0\)。交点は \((-1,0),(0,1)\)。
計算・解釈の補足

直線 \(x=y-1\) を円に代入すると \((y-1)^2+y^2-1=2y(y-1)\)。係数 2 を正規化すれば \(y^2-y\)。

26. 初期イデアルだけではイデアルは一意に決まらない

初期イデアル注意概念
イデアル / 状況\(I_1=\langle x+y\rangle\), \(I_2=\langle x+y^2\rangle\)
順序lex \(x>y\)
グレブナー基底 / 結果どちらも先頭単項式は \(x\)。初期イデアルは \(\langle x\rangle\)。
要点初期イデアルは標準単項式や Hilbert 関数をよく反映するが、元のイデアルを完全には決めない。
計算・解釈の補足

\(I_1\) と \(I_2\) の幾何は直線と放物線的グラフで異なる。

27. 簡約グレブナー基底の一意性

簡約基底一意性概念
イデアル / 状況\(I=\langle x^2-y,\;xy-1\rangle\)
順序lex \(x>y\)
グレブナー基底 / 結果簡約グレブナー基底は \(\{x-y^2,\;y^3-1\}\) で一意。
要点生成系は無数にあるが、体上で単項式順序を固定すれば簡約グレブナー基底は一つだけ。
計算・解釈の補足

同じイデアルを \(\langle x-y^2,xy-1\rangle\) と書いても、簡約化すれば同じ基底へ戻る。

28. 変数順序の選択で消す変数が変わる

単項式順序消去比較
イデアル / 状況\(I=\langle x^2-y,\;xy-1\rangle\)
順序lex \(x>y\) なら \(x\) を消す。lex \(y>x\) なら \(y\) を消す。
グレブナー基底 / 結果\(x>y\): \(\{x-y^2,y^3-1\}\)。\(y>x\): \(\{y-x^2,x^3-1\}\)。
要点どちらを主変数として解きたいかに応じて変数順序を選ぶ。
計算・解釈の補足

対称的に、\(y=x^2\) と \(x^3=1\) も同じ解集合を記述する。

29. 有限体では体方程式を加えることがある

有限体応用注意
イデアル / 状況\(\mathbb{F}_2[x,y]\) で Boolean 解だけを考えたい
順序任意
グレブナー基底 / 結果方程式に \(x^2-x,\;y^2-y\) を追加する
要点多項式方程式を有限体上の点集合として解く場合、変数が体の元に限られることを明示するため体方程式を入れる。
計算・解釈の補足

\(\mathbb{F}_2\) では \(x^2-x=x(x-1)=x(x+1)\) が全ての体要素で 0 になる。

30. Buchberger 計算の完全な小例

Buchberger手計算S多項式
イデアル / 状況\(F=\{f_1=x^2-y,\;f_2=xy-1\}\)
順序lex \(x>y\)
グレブナー基底 / 結果\(\{x-y^2,\;y^3-1\}\)
要点\(S(f_1,f_2)=x-y^2\) を追加し、さらに \(f_2\) を新規元で簡約すると \(y^3-1\) が出る。
計算・解釈の補足

最終基底では \(S(x-y^2,y^3-1)\) は 0 に落ちる。先頭単項式は \(x\) と \(y^3\) で、標準単項式は \(1,y,y^2\)。

31. 正規形は代表元の選択

正規形商環概念
イデアル / 状況\(G=\{x-y^2,\;y^3-1\}\)
順序lex \(x>y\)
グレブナー基底 / 結果任意の多項式は \(a+by+cy^2\) の形に正規化される。
要点商環の各剰余類から、標準単項式の線形結合という代表を選ぶ操作が正規形。
計算・解釈の補足

例:\(x^4+y\equiv y^8+y\equiv y^2+y\)。

32. グレブナー基底でない集合の余りは順序依存になる

割り算注意反例
イデアル / 状況\(F=\{x^2-y,\;xy-1\}\)
順序lex \(x>y\)
グレブナー基底 / 結果\(F\) はまだグレブナー基底ではない。
要点同じ多項式を割っても、割る順序によって余りが変わる可能性がある。
計算・解釈の補足

この不安定性を取り除くために S多項式を検査し、必要な余りを追加するのが Buchberger アルゴリズム。

例から見えるパターン

lex は三角形化を作る最後の変数だけの多項式が出ると、根を戻し代入できる。
初期イデアルが階段を支配する商環の基底、有限次元性、重複度の計算は先頭単項式から読める。
S多項式は局所的曖昧さ2 つの先頭項の消し方が一致するかを検査する。
余りは証拠余り 0 は所属証明、非 0 の正規形は非所属の標準代表。
よくある誤読解集合が有限に見えても、正次元成分や重複度が隠れていることがあります。必ず初期イデアルの標準単項式が有限かを確認してください。

正規形ミニ計算機:\(G=\{{x-y^2,\;y^3-1}\}\)

このツールは固定された簡約グレブナー基底 \(G=\{{x-y^2,y^3-1}\}\) に対して、\(x\equiv y^2\), \(y^3\equiv1\) を使い、入力多項式を \(a+by+cy^2\) に簡約します。構文は 3*x^2*y - y + 1 のように書いてください。

次の学習導線

大量の例を通じて確認すべき到達点は、次の 4 つです。

  1. 先頭単項式から初期イデアルを読み、標準単項式を列挙できる。
  2. S多項式が 0 に落ちないとき、新しい関係式が必要だと判断できる。
  3. lex 順序の基底から消去多項式を抜き出せる。
  4. 余り 0 / 非 0 によって所属判定を行える。