Cohen–Macaulay環を図で理解する
DOT + d3-graphviz 拡張レポート

抽象的な「深さ」「次元」「正則列」「局所化」「自由分解」「局所コホモロジー」「Stanley–Reisner 環」の関係を、Graphviz の有向・無向グラフとして可視化するための補助教材です。

MathJax 数式 Graphviz DOT d3-graphviz 対話描画 深さ・次元チェッカー 自作DOTエディタ

1. このレポートの主眼

Cohen–Macaulay 性は、局所環または有限生成加群について「次元の大きさと同じだけ、零因子でない元を順に選べる」という条件です。局所 Noether 環 \((R,\mathfrak m)\) については次の式が中心です。

\[ R\text{ is Cohen--Macaulay} \quad\Longleftrightarrow\quad \operatorname{depth}R=\dim R. \]

ここで \(\dim R\) は素イデアル鎖の長さで測る幾何学的次元、\(\operatorname{depth}R\) は \(\mathfrak m\) の中に含まれる \(R\)-正則列の最大長です。CM 性は、次元という幾何量と深さというホモロジー量が一致する状態です。

幾何成分が同次元で、不要な埋込点がないことを強く示唆します。
代数系パラメータが正則列として振る舞います。
ホモロジー低次数の局所コホモロジーが消えます。

2. 対話型 Graphviz ビューア

左のボタンを押すと、対応する DOT グラフを d3-graphviz で描画します。外部 CDN が読み込めない環境では、DOT テキストだけが表示されます。

読み込み中

この図の DOT ソースを表示

      

3. 図の読み方:各ノードに対応する数学

正則列

\(x_1,\dots,x_r\in\mathfrak m\) が \(R\)-正則列であるとは、各 \(i\) について \(x_i\) が \(R/(x_1,\dots,x_{i-1})\) 上の非零因子であり、最後の商が \(0\) でないことです。深さはその最大長です。

系パラメータ

\(\dim R=d\) の局所環で、\(\mathfrak m\)-primary イデアルを生成する \(d\) 個の元 \(x_1,\dots,x_d\) を系パラメータと呼びます。CM 局所環では任意の系パラメータが正則列になります。

局所化

非局所環の CM 性は、全ての素イデアル \(\mathfrak p\) における局所環 \(R_\mathfrak p\) を調べる条件です。幾何学的には、空間のすべての点の近傍で深さが局所次元に達することを要求します。

自由分解

正則環 \(S\) 上の商 \(A=S/I\) では、自由分解の長さ \(\operatorname{pd}_S A\) が深さを決めます。Auslander–Buchsbaum 公式により、\(\operatorname{depth}A=\operatorname{depth}S-\operatorname{pd}_S A\) です。

局所コホモロジー

局所コホモロジー \(H^i_\mathfrak m(R)\) は、台が閉点に集中する部分を階層的に測ります。CM 性は \(i

4. 深さ・次元チェッカー

局所環または局所化済みの有限生成加群を想定して、深さと次元の数値だけから CM 判定の形を確認します。実際の計算では、これらの値を正則列、Ext、局所コホモロジー、自由分解などで求めます。

入力値をもとに判定を表示します。

5. 自作 DOT エディタ

下の DOT を編集して、CM 性の学習用概念図を自分で作れます。たとえば「例」「判定法」「反例」をノードにして、自分の理解をグラフ化してください。

6. まとめ:図から式へ戻る

グラフは理解の入口ですが、最終的な判定は必ず式に戻します。特に重要な同値は次の三つです。

\[ \begin{aligned} R\text{ is CM} &\Longleftrightarrow \operatorname{depth}R=\dim R,\\ &\Longleftrightarrow \text{ある、同値に任意の系パラメータが正則列},\\ &\Longleftrightarrow H^i_\mathfrak m(R)=0\quad(0\le i<\dim R). \end{aligned} \]

商環 \(S/I\) を扱うときは、正則な母環 \(S\) の中で自由分解を見て、\(\operatorname{pd}_S(S/I)=\operatorname{ht}I\) かどうかを確認するのが計算上強力です。